診療科のご案内
睡眠時無呼吸センター
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に無呼吸状態となり、それが原因で日常の生活に様々な障害を引き起こす病気です。睡眠時無呼吸症候群の原因は、空気の通り道(気道)が塞がる、狭くなることによって起こる閉塞型が大半を占めます。下記のような症状が気になる方や、睡眠パートナーがイビキをかく、睡眠中に呼吸が止まるなどの症状にお気づきでしたら、是非ご受診ください。
症状
- 大きなイビキをかく
- 夜間何度も目が覚める、トイレに起きる
- 起床時の頭痛、のどの渇き
- 日中の強い眠気、集中力の低下、倦怠感
- 逆流性食道炎
なぜ気道が狭くなるのか?
健常人であっても仰向けで寝ると重力により、舌や軟口蓋が気道を狭くしてしまいます。また、睡眠という状態では、筋の緊張も緩んでしまいます。
- 筋力の低下(加齢)
- 舌が重い(肥満)
- 顎が後退している
- 扁桃肥大がある
- 軟口蓋が長い(形態的問題)
- 口呼吸による舌の落ち込み
といったことでも気道が狭くなったり、塞がってしまいます。


肥満治療について
睡眠時無呼吸は肥満とも関連があると言われています。
事実、肥満を治療する事で改善する睡眠時無呼吸も多い事が報告されています。
当院でも外科にて肥満治療についての相談を受け付けています。
ご興味のある方は外科 鈴木淳一診療部長の外来を是非受診してみてください。
外来受診の流れ
1.診察
外来にて診察を受けていただきます。先生とお話の上、検査方法・検査の日程を決定します。
2.検査
- 簡易検査(自宅または入院)
- ポリソムノグラフィー[PSG検査](1泊入院)
などの検査を行います。詳細は検査の種類をご覧ください。
3.治療
- CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)
- 生活習慣病の改善
などの治療を行います。詳細は治療の種類をご覧ください。
検査の種類
簡易検査 (自宅または入院)

一晩を通して呼吸や血中の酸素状態などを測定し、睡眠時呼吸障害の程度(AHI)を評価する検査です。
1時間当たりの無呼吸、低呼吸の回数と障害の程度
使用機材: Smart Watch PMP-300E【測定項目】鼻の呼吸フロー、いびき、胸もしくは腹の動き(呼吸努力)、血中の酸素の状態、脈拍数、睡眠中の体位など
ポリソムノグラフィー[PSG検査] (1泊入院)
入院して診断確定を行います。体に様々なセンサーを取り付けて、睡眠の質や睡眠中の異常行動、不整脈などを評価する検査です。
使用機材: Alice6【測定項目】脳波、眼電図、おとがい筋電図、いびき、胸・腹運動、体位、心電図、 経皮的動脈血酸素、飽和度、脚筋電図
治療の種類
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

鼻に装着したマスクから空気を気道へ送り込むことにより、常に圧力をかけて空気の通り道が塞がれないようにします。
治療を継続することによって、SASの症状改善が期待され、血圧を下げる効果の報告もあります。
CPAP療法は、治療器を使用しない限り無呼吸は無くなりません。
また、治療器の装着に慣れるまで2〜3ヶ月かかる場合もあります。
CPAP療法は、検査の結果が一定の基準を満たせば、健康保険の適用となります。
その場合には、必ず月1回外来受診をしていただきます。
より良くCPAP療法を継続して頂くことが重要ですので、必ず外来にかかるようにしてください。
生活習慣病の改善
生活習慣病の改善のみでSASを治すといったことは難しいですが、他の治療と合わせることによってSASを軽減させることは可能です。また、少しでも良い睡眠がとれるように、眠りにつきやすい環境を整えることも必要です。
診療案内
診療時間
木曜日 | 午前 08:30〜12:00 |
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担当医師・装具担当者
呼吸器病センター(外科) SASセンター長 | 高橋 保博 |
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SASガイドブック
SASガイドブックでは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状や治療方法についての詳細が解説されています。また、自覚症状がない方でもチェックシートで睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるかどうかも確認することができます。