病院のご紹介
がん化学療法室のご紹介
化学療法とは、がんを治したり、あるいは、がんの進行を抑えたり、がんによる身体症状を緩和したりすることを目的として行う「抗がん剤によるがん治療」のことです。
入院してがん治療を行うこともありますが、近年は外来通院でがん治療を受けることが可能になりました。このように、これまで通りご自宅での生活やお仕事を続けながら治療に取り組む患者さんを支えるのが「外来化学療法室」です。
当院の外来化学療法室では治療用のリクライニングチェア9台、ベッド3台を設けており、患者さんが安心してがん化学療法を行えるよう、スタッフ一同で万全な体制を築いております。
緊急時の入院体制について
当院は地域の中核病院として24時間365日 救急診療を行っています。急に体調が悪くなった場合の診療・入院についても常時対応しております。
安全管理
当院で「がん化学療法」を実施する際は、化学療法委員会にて治療内容の審査を事前に行い、承認された治療スケジュール(レジメン)に沿って行います。化学療法委員会では医師、薬剤師、看護師など、複数の職種が治療内容の妥当性を評価し、副作用を出来る限り回避し、患者さまの不安が少しでも解消されるように努めています。
治療中は看護師が常に患者さんの状態を観察しておりますが、まれにアレルギー症状や血管外漏出などが生じることもあります。このような場合にも迅速かつ適切に対応を行っております。
化学療法室の様子
お一人ずつカーテンで仕切られ、周囲の目を気にせずに飲食や読書をしながらリラックスして治療を受けることができます。また、タブレットやラジオなどの持参も可能ですが、周りに治療を受けている患者さんがいらっしゃいますので、音が出る場合はイヤホンの使用をお願いします。

受診から化学療法室での治療のながれ
1.来院
再来機または総合受付にて受診の受付を行い、番号札を受け取ります。
各科受付で、自動血圧計で血圧測定をします。
血圧測定の結果用紙と番号札を各科受付に提出します。
2.検査
必要に応じて採血や採尿、レントゲン等の検査を行います。
結果が出るまで1時間程度かかります。
3.問診
診察待ち時間の間に、問診票を記入します。
薬剤師・看護師が問診票をもとに体調や副作用の状況などを確認します。
(問診票は当日にご自宅で記載したものを持参していただくことも可能ですので、ご相談ください。)
4.診察
主治医または外来担当医師が診察します。
問診票の記載内容、当日の検査結果や患者さんの状態を踏まえて化学療法を行うかを決定します。
5.化学療法室
化学療法の実施が決まった方は化学療法室で受付をします。
薬剤師が薬の準備・調製を行います。
看護師が患者さんの状態を観察しながら薬の投与を行います。
薬剤師、看護師によるスケジュール、副作用の確認および対処法について説明します。
管理栄養士による栄養指導も必要に応じて行います。
6.会計
投与終了後に自動精算機または会計窓口にて会計を行い、帰宅となります。
患者さんおよびその家族に対する相談支援体制
病気によって以前と同じように働くことが難しくなる場合もあります。治療しながら働きたい方にとって、治療と仕事の両立は大きな問題です。そこで、患者さんが業務内容を書いた「勤務情報提供書」(勤務情報を主治医に提供する際の様式例 : 厚生労働省ホームページ/治療と仕事の両立 を参照)をご提出いただいた場合、職場での配慮が必要な事項等を指導することも可能ですので、ご不明点がありましたらご相談ください。
また、上記以外のご相談につきましても可能な限り対応いたしますので、スタッフにお声がけください。
保険薬局との連携について
当院では、保険薬局との連携(薬薬連携)を行っています。
抗がん剤の治療スケジュールや検査値、副作用の状況などを、お薬手帳を活用して、かかりつけの保険薬局へ情報提供を行っております。このように保険薬局と情報共有を行うことで、飲み薬との相互作用や、副作用の確認などが可能になります。
また、患者さんからかかりつけの保険薬局へご相談いただいた内容は、保険薬局から当院薬剤部へ情報のフィードバックがされるので、早期の副作用の発見や、主治医の次回診察へ反映することができます。
みなさんからのよくある質問について
事前に化学療法室の見学が可能です。
化学療法が決まった際に見学をされる方が多いですが、別日での見学も可能です。ぜひご相談ください。
飲食は可能です。
治療開始後は、売店へ移動はできませんので、必要な方は事前に、飲み物、食べ物の準備をお願いいたします。なお治療の影響でにおいに敏感な方もおられますので、においが強い食べ物の持ち込みはご遠慮ください。
主治医からの個別の食事制限がなければ特にありません。
ただし、治療中は免疫力が低下することがあるためご注意ください。
また、管理栄養士との相談も可能です。ご希望される患者さんはぜひご相談ください。
使用する薬により異なります。
会計につきましては各科受付の医事課スタッフが説明を行っています。
また、高額の場合は高額療養費制度の対象となる場合があります。お手続き等が必要な場合もございますので、お早めに各科受付にてご相談ください。
可能です。
希望される場合は、ほかの病院に提出する診療情報提供書(紹介状)と検査及び画像データの用意に日数を必要としますので、あらかじめ医師とご相談ください。
レジメンとは抗がん剤、輸液、吐き気止めなどの副作用を抑える薬を、どのような順番で、どのくらいの時間をかけて投与するかを明記した治療計画のことです。
当院で行われる化学療法は、全て院内の化学療法委員会において治療内容の審査を行い登録された治療スケジュール(レジメン)に沿って行われています。
レジメンについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
可能です。
治療開始時と終了時に来ていただき、治療中は院内ロビーでお待ちいただくことも、外出(薬局に薬を受け取りに行くなど)も可能です。また治療中、化学療法室にて付き添っていただくことも可能です。ご相談ください。
薬に関する説明は、医師からも薬剤師からも行います。パンフレットや文書等を用いてご説明いたしますが、薬の名前や副作用を全て覚える必要はありません。またその際は、プライバシーに配慮し個室で行うことも可能ですので、お申し付けください。
化学療法室で治療を受けられる場合、常駐している薬剤師より薬の説明を行います。薬に関してご相談や疑問点がある際は、薬剤師が説明に参りますので化学療法室のスタッフにお声がけください。
なお、治療当日に受けられた治療の内容を記した「お薬手帳シール」と「症状・副作用の情報共有シート」をご提供しております。お手持ちのお薬手帳に貼り、保険薬局や他の医療機関でご提示いただくことで情報共有しやすくなりますので、お役立てください。
化学療法室には看護師が常駐しておりますので、治療途中で具合が悪くなった場合はすぐにお声がけください。症状によっては、薬剤の投与や緊急入院になる場合があります。
また治療中は症状がなかったとしても、自宅に帰ってから急激な症状(激しい嘔吐、呼吸困難、意識障害など)が出る場合があります。その際はすぐに受診をしてください。
「皮下埋め込み型ポート」といわれるもので、血管内に長時間薬を投与するとき、薬が濃く静脈炎や疼痛がある時、手の先などの細い血管(末梢血管)からの薬の投与では漏れる可能性がある時などで使用されます。
通常は鎖骨の下の血管からカテーテルと呼ばれる管を入れ、左右どちらかの胸の皮膚の下に埋め込みます。カテーテルの先端は心臓に近い太い血管に留置されます。
投与準備ではCVポートの穿刺部に専用の針を刺すため、1回で確実に針を刺すことができます。そのため、何度も針を刺すことによる苦痛を回避することができます。
また、CVポートは小さい(100円玉くらいの大きさ)ため、埋め込み部はそれほど目立たず、生活に支障はほとんどありません。詳しくは主治医や化学療法室の看護師にご相談ください。
ドセタキセルなどタキサン系と呼ばれるお薬の副作用で、爪の障害や手足にしびれをきたすことがあります。フローズングローブ・フローズンソックスは、手袋型・靴下型のアイスノンで、投与中に手足を冷やすことで爪の障害やしびれを軽減するという報告がされています。当院でも使用していますので、気になる方はお気軽にお声がけください。
お問い合わせ
気になる症状・いつもと違う症状がある、相談したいことがある、などの場合は下記の問い合わせ先にご連絡ください。
【代表電話番号】03-3967-1181
当院で抗がん剤治療を受けられている患者さんは連絡時に
「氏名」「診察券の登録番号」「受診されている診療科と主治医」
「〇月〇日に化学療法を受け、現在〇〇〇のような症状があります」とお伝えください。
平日 8時30分~17時 ・・・各科外来
土曜日 8時30分~12時 ・・・各科外来
上記以外の時間帯(休日、夜間、時間外)・・・救急外来