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きずのない手術
腹腔鏡下手術の始まり
腹腔鏡手術は常に進化しています
最近ではさらに低侵襲な手術を求めて単孔式腹腔鏡下手術に取り組んでいます。
これは字のごとく、一つの穴からこれまでの腹腔鏡下手術を行う方法で、多くはお臍を切開して、ここに特殊な器具を装着して(図1)刺さっている筒に手術器具を挿入して手術を行います。(図2)


状況に応じて、別に補助用に1〜5mmの手術器具を挿入するためのきずを1個追加する場合もあります。
手術後のきずはお臍の中にほぼ隠れてしまうので、パッと見はきずがないように見えます。
現在までの報告では通常の腹腔鏡手術に比べて、きずは目立たなく、術後の痛みも少ないけれども、術後の回復具合にはあまり変わりがない、といわれています。
手術手技は通常の腹腔鏡手術よりもさらに難易度が高くなることが多く、どの病院でも、どの医者でもできる、という手術ではありません。
当院でも手術前に十分検討した上で、条件が合えば単孔式腹腔鏡下手術を行っています。
当院でこれまでに施行してきた単孔式腹腔鏡手術は下記のような手術があります。
この他の手術でも単孔式手術が可能な場合がありますので、手術を受ける際には1度ご相談ください。
当院で行っている単孔式腹腔鏡下手術
  • 胃部分切除術
  この方は胃の粘膜下腫瘍(GISTという病気でした)で胃の一部を切除しました。おなかの写真右側にわずかな傷がありますが、それ以外はきずがありません。この方もおへそに器具を入れて手術したため、きずが分からないのです。
  • 幽門側胃切除術
  この方は胃の出口側3分の2を切除する手術を受けた患者さまです。 まだ完全に傷は癒えていませんが、おへそと追加で1箇所1cmのきずで手術を行いました。80という高齢の方ですが、術後はほとんど痛みも感じず元気に術後6日目に退院されました。